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「Proud Clothes/プラウドクロウズ」袖を通すことで、自分が好きになる様な、自分自身に誇りが持てる様な服作りを目指しています。

Designer/山内カンナさん -Kanna Yamauchi
Designer/田中洋さん -Hiroshi Tanaka

ーコンセプトは?

“誇れる服”です。カジュアルからフォーマルまで手がけていますが、“現代”に、伝統から生まれた染色技術である紅型をプラスすることで、シンプルな中に存在感が光る洋服に仕上がります。身につける方の“自分らしさ”をより輝かせてくれる1着になれば嬉しいです。


ーブランドを立ち上げまでのストーリーを教えてください。

ブランドを立ち上げる前、主人はインテリアデザイナーとして活動していました。そんな時に子供を授かったんです。仕事が忙しかった主人は、朝出かけたら夜中の2時ぐらいまで帰ってこないので、出産後は私ひとりで子育てしているような状況が続いていました。1年ぐらい経った時に、そんな状況が辛くなってきて…。私だって仕事したいのに、って。子供ができる前はそれぞれ別の仕事をしていたのですが、“ものづくり”をしているというところは共通していました。ですから「お互い同じ感性で、何かもの作りが出来たらいいね」ということになり、主人が会社をたたんで、2000年に一緒にブランドを立ち上げることになりました。


ーYOKANG(ヨーカン)という名前の由来

ふたりの名前から取りました。主人の洋と、私のカンナからYOKANG。最後のGは「付けちゃえ」って感じで(笑)


ーそれぞれの役割は?

主人がテキスタイルデザインと染めを、私がデザインを担当しています。私は洋服のデザインはできるのですが、絵を描くのが苦手で。主人は工業高校出身で染色の経験があったので、本当に良かったです。

ー なぜ紅型を取り入れようと思ったのですか?

母の影響を受けました。母はもともと紅型を使ったオートクチュールのデザインをしていたので、子どもの頃から染めの美しさというものを見てきましたし、紅型があるという環境が当たり前だったんです。


ー 紅型は高価なイメージがあるのですが…

そうですね。母が手がけるものは1着12万円から100万円ほどしていたので“一部の人しか着られない”という現実を見ていました。着たいと思う1着なのに手が出せないというのはもどかしくて、一般の人でも購入することができる状況をどうにか作りたいと思いました。若い世代でも身につけられる紅型を作るにはどうすれば良いのか…。答えを探している時に、主人がエアブラシを使うという方法を提案してくれました。紅型はとても手間がかかるので、洋服に施すとどうしてもコストが高くなってしまいます。ですがエアブラシで染めるという手法を取り入れることで、価格を下げることができるんです。


ー ウェディングドレスを手掛けていることについて

YOKANGは最初アパレルブランドとしてスタートしましたが、その後ウェディングドレスも展開しました。琉球の神羅万象をモチーフにして、唯一無二のドレスを制作しています。一般的なドレスでは目にすることのないデイゴや花笠など、沖縄を象徴するモチーフを大胆にデザインして「こんなウェディングドレス見たことない!」と驚いていただけるような1着を目指しています。

ー やっていて良かったと思うこと

お客様の要望を聞きながら、ご一緒に模索しながらファッションを楽しめることが私の幸せです。たくさんのブランドがある中でYOKANGに来てくれて、その中からお気に入りを見つけてくれる。このことが本当に嬉しいです。

小さいブランドなのでサイズの展開が難しいのですが、そのぶん、ワンサイズでいろんな体型の方が楽しんでもらえるよう、着回しコーディネートができるようにしたいと思っています。私よりもお客様の方が着こなし術を考えてくださっている場合もあるんですよ。

ー インスピレーションの源は?

沖縄の自然や植物、沖縄にいて日々感じていることがモチーフになることが多いです。毎年何かしらテーマは決めているのですが、今年のテーマは「愛」です。首里城が焼失してしまったことで、首里城は多くの人から愛されていたということが改めて分かりましたし、そのことがきっかけで私は沖縄のことを見つめ直したいと思いました。

ー 今後の展望は?

服以外の展開もできれば…と思っています。実は絨毯やシェードカーテン、パーテション、壁紙の依頼もあって、インテリア関連のアイテムも面白いかな?と。

ファッション系に関してはアメリカ、香港、台湾など様々な国からの要望を受けています。その国に応じたフレキシブルな対応を指定きたいですし、これからも世界に向けてどんどん発信できればいいなと思っています。

ー アパートメントオキナワに期待すること

多くのクリエイターが集まる場所なので、まとめるのは大変だと思っていますが(笑)、皆で何か新しいことができるかもしれない…と期待しています。コラボしても面白そうですね。

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