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沖縄の歴史年表を洋服に。


ブランドをはじめたきっかけ

東京で10年アパレルを経験しました。今まではどちらかというとブランドの、モノづくりに携わる下請けが多かったのですが、沖縄に帰ってきて気持ちが変わりました。沖縄の文化や染織り、縫製の背景を目の当たりにして「自分なりの考えや思いを、モノを通して伝えたい」という気持ちがふつふつと湧いてきたんです。“沖縄でしかできないこと”や“自分しかできないこと”をに挑戦してみたいという思いから立ち上げました。


ー洋服に興味を持ったのはいつ頃から?

ガキの頃から好きで、お金を貯めて買ったりしていました。就職活動をしていた時「ここで働きたい!」と思ったところが、洋服屋ではなく、メーカーだったんです。いわゆる工場ですね。モノづくりをすることが楽しくて、止められなくなってしまいました。

ー “リハーサル”という名前の由来

「練習だから本番じゃないよ。気楽にいこうぜ!」と、「本番以上にリハーサルは真剣に取り組まないといけないよ」というふたつの意味からこのように名付けました。

ー どういったジャンルの人たちがターゲットですか?

モードでもなければ、きれいめでもなく、ストリート系でもなくて…ファッションを自由に楽しみたいと思っている人や、自分自身を表現したいと思っている人や、アバンギャルドな人たちです。


ー リハーサルのデザインについて

僕はアロハシャツやTシャツをメインに作っているんですけど、デザインしているのは紅型やハイビスカスなど“多くの人がイメージする沖縄”ではなくて、実は身近だけど皆が表現しないような沖縄のカルチャーを表現しています。口にしづらい基地問題やオスプレイのこと、空手や甲子園も沖縄の文化だと僕は思っていて、そんな今のリアルな沖縄を表現しています。沖縄の情勢を風刺したデザインですね。


ー 今のスタイルに行き着いた理由

もっと自由であっても良いんじゃないか?と思って。「好きだから」「こうしたいから」という自分の思いを、素直に表現したいという思いがありました。


ー 「何かを伝えたい」と思ってこのデザインに?

“人がやらないこと”をやりたかったのもありますが、僕がデザインしたものを見た時に、何か感じ取ってもらえたらいいなとは思っています。「色が可愛い」「デザインが好き」というような第一印象から入ってもらっても全然良くて、でもよく見ると、「あっ、そういうことなんだ」と気付く。意味を知った時に「だったら要らない」という人もいます。でも、それでもいい。デザインの奥にある意味を知ってくれたうえで、それでも欲しいと思ってくれる人がいると信じて、僕は作っています。

僕には「平和を願っている」とか「基地反対」だとか、「世界はこうあるべき」のような強い思想があるわけではありません。でも、みんなそれぞれ思うことがあると思うんです。何が正しくて、何が間違っているとか、そういうものはないと思っています。例えば、僕がデザインしたオスプレイ柄のシャツを見た時に「オスプレイなんて無くなればいいのに」と思う人もいれば、何も言えない人もいたり…。複雑な感情が混在しているのが沖縄だと思うのですが、こういうことを全部引っくるめて沖縄だと思います。


ー 沖縄のファッションブランド文化について感じること

ものづくりというのは、自己表現みたいなものだと思っています。染・織りものが身近にある沖縄は、沖縄の文化を引き継いでブランドに投影している感じがしています。


ーアパートメントオキナワに期待すること

たくさんのブランドが一か所に集まるということが今までなかったと思うので、どんな展開になっていくのか楽しみです。

若い世代から「沖縄のこのブランドかっこいいな。ここの服を縫えるんだったら、この工場で働きたいな」とか「縫製を地道に続けていたら、私も自分のブランドを持てるようになるかな」とか思ってもらうチャンスかもしれません。

アパートメントオキナワは、県外の百貨店からのオファーもあるようですね。百貨店やデパートでの出展ももちろん嬉しいんですけど、いつか大手セレクトショップのイベントを主宰できたらいいな、と思っています。

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