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HABERU(はべる)は沖縄の古語で「蝶」を意味します。美しい蝶を見たときのような喜びを感じていただけるファッションアイテムを発信します。

President/金江幸一さん -Kouichi Kanae





ー 最初にHABERUを始めたきっかけを教えてください。

アクセサリーメーカーとしてずっとやっていたのですが、沖縄に観光に来た方がお土産として買っていかれることが多かったんです。ちょうど「次のステージに行こう」と模索していたタイミングにものづくりをしている人たちと出会い、交流の中で生まれたアイデアでした。紅型を作っている方たちと「沖縄の伝統である紅型を、もっと若い人たちに知ってもらい、実際に使ってもらうためにはどうすれば良いんだろう?」と考え始めた矢先だったんです。ありがちなものは嫌だったので、今までにない何かを作りたかった。そこで思いついたのが蝶ネクタイでした。若い人たちにも外国人にも知ってもらえるアイテムとして、ぴったりなんじゃないかと。個人的に欲しかったのもあります。

ー HABERUの由来を教えてください

HABERU(ハベル)は沖縄の古語で蝶という意味なんです。テーマは“繋がり”。蝶々が花から花へ羽ばたくように、沖縄が継承し続けることを未来へ、喜ばれる贈り物として人から人へ、沖縄から県外・海外へ。たくさんの人へ繋がって行くことを願ってこう名付けました。また、蝶は元の場所にもどってくるという習性もあると言われています。沖縄から発信するものづくりを、巡り巡って手に取った方がこの場所へ辿りついてくれたら…という願いも込めました。HABERUがきっかけになって、沖縄に興味を持ってくれる人が増えると嬉しいですし、沖縄のものづくりを繋ぐ架け橋のような存在になっていきたいです。




ーこだわりは?

沖縄のものづくりを伝えていくことです。沖縄には素晴らしい個性を持った作り手の方が沢山いらっしゃいます。その方達のものづくりを現代のファッションに取り入れたデザイン性の高いプロダクトにし、私たちの視点からお客様へ伝えていきたいと考えています。
繋がっている方々とのこだわりで言うと、工芸をやっている人たちって、「伝統を大事にしてクラシカルなものを変えずに守っていく人たち」と「存続するために新しいことにチャレンジしないといけない人たち」の2パターンに分かれると思っています。HABERUはクラシカルな人たちからすると邪道かもしれないけど、今の人たちに知ってもらうために動いているので、積極的に新しいことにチャレンジしている人と繋がりたい…というのもこだわりですね。

デザインでのこだわりもあります。蝶ネクタイって、縦が大きくなると可愛い系になると思うんです。自分たちはかっこよく使ってもらいたいので、高さを抑えて横をシュッとさせて、可愛い系ではなく、かっこいい蝶ネクタイを目指しています。



ーものづくりをしていて良かったなと思う時はありますか?

結婚式場やパーティー会場でうちの蝶ネクタイを身につけている方を見かけると、嬉しくなります。蝶ネクタイって身につけるだけでグッとおしゃれになるし、ネクタイよりも便利で楽ですよ。


ー沖縄のブランド文化について、客観的に見てどう?

うちは県外でショップを持つことを経験しています。その時に感じたことは、「沖縄は良くも悪くも個性的なものを作っている」というところです。色の組み合わせ方も斬新ですし、個性を大事にしながら商売しているな、と。人が面白いからなのかな。ただ、番人受けしないというデメリットもあるのは事実かもしれません。


ー今後の展望は?

「蝶ネクタイっていつ付けるの?」「どんなファッションに合わせたら良いの?」という声はいただいているので、今後は蝶ネクタイをどうコーディネートしていくか、というところまで踏み込んでいきたいと思います。それに付随するシャツやベスト、ジャケットもデザインしていきたいです。



ーアパートメントオキナワに期待すること

ひとつのブランドが単体で、県外の展示会に出店するって難しいことなのだ、と何度か経験をしてみて分かりました。ツールが蝶ネクタイだけですから。でも、アパートメントオキナワという個性あふれるブランドがこれだけ集まると目を引きますし、いろいろなところで見てもらえる機会が増えると思います。「面白い」と思って取り扱ってくれる店舗が増えると良いですね。自分ひとりでは完結できないことも、メンバーと一緒に探りながら頑張っていきたいです。

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