服を創るということ

沖縄へ戻ってきてもうすぐ10年…。

東京、文化服装学院を卒業後、僕は某アパレルメーカーに就職した。

会社は学生の頃と違い、常にクライアントがあり、良質な商品を届けられるように上司や同僚と四苦八苦する毎日だった。
そんな矢先、新潟の本社への転勤が決まった。
「せっかく東京でファッションができるのに、新潟なんて行きたくない…」
当時の僕の考えはこうだったが、それが後々、功を奏する事につながった。

本社新潟は企画や営業チームに加えて、工場機能を備えた、いわば実際にモノづくりが行われている現場だった。

現場では、何もないところへ原料が入荷し、それを料理して製品として出荷するところまで全ての工程がどうやって行われているかを知る事ができた。

例えばニット。糸商とされる業者へ糸を発注し、大きな段ボールに紙管に巻かれた糸が届く。それをクライアントの発注数通りに振り分け、現場の編み立てチームに引き渡す。編み立てはその糸を直ぐ蝋引き機に掛け、糸を新たな紙管に巻き直す。そうする事で編立て中の糸切れを防ぐ。この巻き直し作業を僕が担当する事もあった。

出展:http://blog.maruyasu-fil.co.jp/archives/8937

こうして巻かれた糸が自動編機に掛けられ、柄組みをしていたデータを基に編みがスタートする。何度も試編みを重ね、クライアントへ送り、ようやくデザインが決定し、生産へと繋がる。
その間には沢山の見えない人が隠れ、現場は回っている。その温度、空気感をその場にいて感じる事ができたことは、今の僕の大きな財産になっている。

原料発注、原料管理、生産管理、納期管理、企画営業、編立て、芯貼り、パターンメイキング、縫製、放反、プレス、裁断、印付け、ボタン付け、検品、梱包、納品…その他、どれもが必要で不可欠な工程を真剣にやっている人間がいる。

僕は普通のデザイナーさんとは違う道を辿ってきたと思っています。それが良いか悪いかは賛否両論あると思いますが、少なくとも自分の中では間違いなく良かったと思っています。

感度を上げる努力をする事は大事、ただモノづくりの中においては、モノが作られる現場、環境を知る事もとても大切だと思っています。それは、新たなモノづくりのヒントを生み出すから。

今はカッコイイ事ばかりが切り取られ、デザイナーもそこだけ拾っていれば良しとされるようになりつつあります。
しかし、しっかりとモノづくりの本質を捉えて、キチンとした製品を提供できるよう今後も努めていきたいと思っています。

今年の7月でブランド立上げから10年になります。立上げの頃に比べれば、色んなモノが見えるようにはなりました。ただ、未だまだ知らない事ばかり。
HIGAはもっともっとレベルの高いクリエーションを追求し続けていきます。

HIGA デザイナー
比嘉一成

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4月18日(水)〜24日(火)
10:30〜20:00

 

〜このストーリーはHIGAが執筆しました〜