藍染の原料「ナンバンコマツナギ(南蛮駒繋)」を自然のエネルギーいっぱい愛情いっぱいに育て、収穫、発酵、染料作り、染めから製品開発までを一貫して手づくりで行っています。そんなスローな藍染を「島藍」と名づけました。

コンセプトを教えてください

ブランドとしては、日常的に使ってもらえるようなものづくりを心がけています。“染め”はどうしても工芸品的要素が強くなるので、あまり工芸に寄りすぎないように、カジュアルな路線で考えています。日常生活の中に藍染を浸透させていきたいですね。


ー 藍染を始めたきっかけは?

僕は石垣島で生まれ育ちました。この島では琉球藍(沖縄本島の藍染)とは違ったナンバンコマツナギいうマメ科の植物を使って藍染がされてきたのですが、その技術も活動もほぼ途絶えてしまい、「もったいない」という思いがありました。原材料は栽培すればできるので、島を守るというか、発展進行させていくために「どうにかしなければ」と。僕がはじめた時は、藍染の方法を覚えている人がいなかったので、試行錯誤して編み出しました。


ー 原材料となるナンバンコマツナギでつくる藍と琉球藍との違いは?

茄子とニンジンぐらい違う(笑)。
琉球藍は草ですが、ナンバンコマツナギは木なんです。この枝葉を使います。




ー 藍の青の魅力は?

石垣島って、空と海が大部分を占めているのでほとんど青なんです。でも、手で染めることのできる青は藍染しかありません。自然から生まれる青色は、唯一無二です。


ー 栽培からの工程を考えると大変な事も多いのでは??

化学薬品を使えば染まりやすいし、染料も長持ちする。楽だと思います。でも、僕たちは化学肥料や除草剤を使わない土作りをして、そこでナンバンコマツナギを育てています。化学薬品を使ってしまうと、廃液を畑に返せなくなってしまうので使いません。この恵まれた自然環境は自分たちの手で守っていかないと。
それから、藍は染める回数で色の具合が変わってきます。濃い青は30回ぐらい染めないと辿り着けないので、1日に仕上がる量も布地2枚分…。大量生産はできません。
それ以前に、染料を維持させるのも大変で。収穫したナンバンコマツナギの枝葉を20時間ほど水に漬け込み、枝葉を取り除いた液に消石灰を入れて攪拌します。しばらくすると底に藍の原料になる沈殿物“沈殿藍”ができます。その沈殿藍に木灰や石灰、米ぬか、小麦粉、蜂蜜などを加え、時間をかけて発酵させたものが染液。お世話をしないと腐ってしまうところは、ぬか床に似ていますね。
毎日葉っぱから煮出して染めるようなフクギ染め・草木染めとは時間も手間も異なります。


ー 染め具合を安定させるのは難しいのでしょうか?

色の均一化はほぼ無理ですね。最初に入れた色素は染めることでどんどん出ていってしまうので、徐々に染まり具合が薄くなってくるんです。なので、同じ回数染めても、染液ができたての時に10回染めるのと、2ヶ月経った時に10回染めるのでは、色味が異なります。シルク、リネン、麻…素材によっても染め上がりが変わります。



ー ものづくりをしている中で楽しい事は?

どの工程も楽しみながらやっていますし、モノを通して、お客様から様々な声を返してもらえるのが嬉しいです。
台風シーズンは大変ですが。その時期は天気予報のチェックが欠かせません。


ー 今後の展望


ものづくりをしていく中で、藍染を使っていろいろ作っていきたいというところではあるんですけど、根本的には染めるということが主体となる仕事なので、なかなか難しいですね。シャツを染め直しに来てくださるお客さんとのやり取りからヒントをいただくことも多いので、次の成長に繋げていきたいです。染め重ねながらどんどん色を深くしていく楽しみもあるので、今後は藍染ブランドとして展開していきたいし、また新しい形で提供できたら…という思いもあります。



ー アパートメントオキナワに期待すること

メンバーの個性がよい刺激になっています。それが、自分のものづくりにフィードバック
していきたいです。アパートメントオキナワという“チーム”となることで、個人で動いて
いるだけでは出会えないような方たちと繋がることもできるので、そこが魅力ですね。

RELATED JOURNAL